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翻訳文学ブックカフェに入りびたり [本]

ゴホンといえば紀伊國屋、の私が、年に数回J書店に浮気する日。
それが「翻訳文学ブックカフェ」の日であります!
毎回ひとりの翻訳家をゲストに招いて、じっくり翻訳裏話をお聞きしちゃうトークイベントです。

私は子供のころから、なぜか翻訳文学が好き。
で、好きが高じて翻訳の専門学校に通い始めたころ、「新人翻訳家コンテスト」があり、
主催のソニーマガジンズのHPを見たところ、
すばらしいブログ(当時は「ブログ」という言葉を知らなかったけど)を発見!
なにしろ題材が、本と映画とニューヨーク。私の好きなものばっかり。
書いておられたのは、新元良一さんです。
「翻訳家」「文筆家」などの肩書で紹介されてますが、
「いまのアメリカ文学を紹介してくれる人」と思ってます、私は。
ジェイ・マキナニーの『ブライト・ライツ・ビッグ・シティ』の時代から、
つい最近までニューヨークに住んでおられたそうな。
現代アメリカ文学の書き手たちに、実に的確なインタビューをされたのが
『One Author, One book』という本にまとまってます。
すごいなー、これだけの本を読みこなせて、これだけのインタビューをできるなんて!!
その新元さんが、年に数回”来日”しては続けてこられたのが、翻訳文学ブックカフェであります。
今回はPART19。「『劇場版 釣りバカ日誌』を超えました」とは新元さんの弁(^^;

でもって、今回のゲストは岩本正恵さん。
エリザベス・ギルバート著『巡礼者たち』がテキストだったので、事前に読んでおいてお話を拝聴。
なんでいままで読んでいなかったんだろう?!と思うくらい、私好みの短編集で~♪
広いアメリカのあちこちに点在する「普通のひとびと」の暮らし・人生を描いてます。
岩本さんも「アメリカを感じさせる」と言っておられましたもの。
「読んでいるあいだ、頭の中でブルース・スプリングスティーンの♪ハングリー・ハート♪がずっと鳴っていた」とも。
訳文が”のってる”のがよくわかる!と思ったら、
訳者の岩本さんも原作者とすっかりお友達!の気分で訳せたのだとか。

ちなみにお気に入りの短編は『最高の妻』とのこと。
おばあちゃんになりかけた主人公が、幼稚園バスの運転手をしていて、
ある日、子供たちは一人も乗ってこないのに、過去の恋人たちが次々と乗ってきて・・・というお話。
私が好きなのは、『着地』ですけどね~。
田舎から都会に出てきたけれどパッとしないおねぇちゃんの話。
スマートな都会の男と仲良くなれればいいのに、
よりによって、自分より小さな街出身のにいちゃんになぜか惹かれてしまうお話。
にいちゃんがパラシュートで降下する兵隊さんなので『着地』という題名です、多分。

ほかに岩本さんが訳された作品は、キャサリン・ハリソンの『キス』。
だいぶ前に読んだけれど、よかったよ、これも。
そして、新元さんの本にも出てくるローリー・ムーアの『アメリカの鳥たち』。
これはもっと前に読んだけれど、ほろ苦かった記憶が。
残念ながら現在、絶版だそうです。

で、書店で開催される以上、このカフェは「販促イベント」なので、
興味深いお話を聞かせていただいた以上(今回の朗読はムーアの新作訳しおろしだったし!)、
カフェの入場料(ワンドリンク付き1,000円)より高い本も買わせていただきます。
ミーハーなので、サインもいただいちゃいます。

サイン順番待ちの列に並んでいたら、
もはや私の顔を覚えてくださってる新元さんが「いつもありがとうございます」と声をかけて下さって、
また感激(^^)(^^)(^^)
「土曜日にタワーレコードで柴田元幸さんとローリングストーンズの話をしますよ」
と新元さん自らご案内いただくなんて、ファン冥利につきます!

というわけで、次はタワレコのイベントについて書かねば!!

巡礼者たち

巡礼者たち

  • 作者: エリザベス ギルバート
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/01
  • メディア: 文庫


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コメント 4

み○み

気がつけば終わっていた今回の翻訳文学ブックカフェ。
詳しいレポートをありがとうございます。
さっそく図書館に行って『巡礼者たち』を借りてこねば。
タワーレコードのお話は今日だったのでしょか?
またのレポートをよろしくお願いいたしまーす。
by み○み (2006-09-09 17:07) 

リス太郎

『着地』、面白そうですね。読んでみます。
で、姐さんの着地点は・・・あ、ごめん・・・ひいいいいい~
by リス太郎 (2006-09-09 19:48) 

Tremont

み○みさま
いえ、本当はもちろんもっと盛りだくさんだったんですけど、
いずれ本になるだろうと思うと
私が勝手に引用するのはいかがなものかと・・・(^^;
ま、『巡礼者たち』はお薦めです。
by Tremont (2006-09-10 09:28) 

Tremont

バコッ! ボキッ! ドスッ!・・・
リスちゃん、喧嘩売ってる~? 
売られた喧嘩は買わせてもらおうやないか!

・・・なぁんてことは言わないわよ(^0^)
短編集なので、ちょっとお茶するときに一話、という感じでサクッと読めます。
波乱万丈ではないけれど、さりげなく真実を突いてます。
by Tremont (2006-09-10 09:37) 

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