SSブログ

椎名誠さんの講演会と個人的な悲しみ [本]

先日、椎名誠さんの講演会を聴いてきました。
静岡図書館友の会の10周年記念だそうです。

http://shizutomo.sakura.ne.jp静岡にしては珍しい大物ゲストじゃん? ←失礼
会場の「もくせい会館」は定員250名……入れるのか?

ゆえに、「積極的に宣伝しないように」という異例のお達しがヽ(´o`;
せっかくJR静岡駅前の書店で、静岡大学とコラボの椎名誠さん著作全点(は無理だけど目指した)フェアも展開していたのにね。

早めにいこうと思ったのに、結局着いたのは開演30分前。
受付番号は124番。
その後の発表で、300人くらいの満員御礼だったみたいよ。

入場料500円だもんな。
学生さんなんか無料だよ。 そのせいか若い人もちらほら。
東京ではこれは無理かもね。


さて、椎名誠さんのお話はさすがに面白い!
「特に準備してこなかった」けれど、「会場を見て、お客さんを見て決める」話題で、するするとお話が出てきます。
もっと声を張る方かなと思ったけど、自然体な感じ。

「世界中でキャンプをしてきた」きっかけが、『十五少年漂流記』だって!
うれしいなあ、私も好きな本だもの。
弟のために親が買った本だったけど、私が面白い面白いといって読んでいたのよね。

「静岡でもキャンプしたことありますよ」って。
「お!」て感じになりますよね、やっぱり地元だと。
そしてキャンプといえば食べ物!なのかなあ。
「あくじき(悪食)」という言葉を使われましたけど。
めったに食べられないものの話はインパクト大!

講演会のタイトルは、「本の夢 本のちから」。
図書館友の会の講演会ですからね。
ときどき、にわかにそのテーマに沿った話を挟まれたのもおかしかった(^○^)
シーナさんくらいになると、もう何を話されてもいい訳ですが。
余裕ですね~♪
そして見事に予定終了時刻に収められたのでした。


そんでもって、ここからは蛇足。

講演会の前に椎名さんの本を何か読んでおこうと思って、図書館にいきました。
ぱっと目に入ったのは、『ニューヨークからきた猫たち』。
自分のなかでは、ニューヨーク旅行はある意味、人生のハイライトでしたから。
もう20年くらい前のことだけど。

ISBN: 978-4-02-257803-7

https://publications.asahi.com/ecs/detail/?item_id=1710


開いてみると、1篇目は『ふゆのかぜ』で、こんな書き出し。
「朝がた、夢を見た。 いきなり母が死んでいく夢であった。」

……実は私、母を亡くして1ヶ月も経たないうちに、これを読んだんです。
講演会のチラシをもらったのが1月、母が亡くなったのが2月、講演会の開催が3月。
正直、聴きにいくのもどうしようかと思ってた。

単行本で14ページほどの『ふゆのかぜ』ですが。
読み進めると妙に共通点が浮かんできて。


「姉の話では救急車で病院に運ばれたということであった。」
「首都高速から湾岸道路へ入るあたりで自動車電話が入り、母親の死が伝えられた。 夕がたの五時であった。」
→私は姉の立場で、逆に弟に伝えたのでした。
死そのものではなく、容態が急変したことを。
一時的に他県の家に帰ろうと、弟が車で病院を離れたのが午後5時ごろでした。

「八十四歳まで、まあとりあえず、さしたる大きな不自由もなしに、好きなように生きてきたのだから」
→うちの母は86歳でした。

「数えてみると父親が死んだのは四十年前であった。(中略)私は小学校六年だった。」
→うちは42年前でしたが、そのとき私は小6でした。

「おふくろは親父が死んで四十年も生きてきたわけだ。四十年だからなあ、さすが女はしぶといよ」
→うちもそのくらい。 でも、しぶといというより、もっと生きてくれると思ってたけど。


……こじつけかなあ。
この程度で共通点とはいえないかなあ。
でも、斎場や火葬場の描写・心境、来てくれた親戚・知人とのやりとりにも、そうそう、わかるわかる、と思うところが多くて。

このタイミングでこの文章を読めたのは偶然。
きっと身内を亡くしたときは、誰でも同じような経験をする。
のかもしれないけれど、行き場のない自分の気持ちを静かにおさめてもらえた気がします。

椎名誠さんくらいご著者が多く、「引き出し」の多い方だと、一読者のレアなシチュエーションにも対応してくれるのかもしれないね。

nice!(7)  コメント(2) 
共通テーマ:

nice! 7

コメント 2

リス太郎

私も若い頃(30代はじめだと思う)椎名誠さんの講演会を聴きに行きました。今はなき近鉄劇場でした。椎名さんは「え~と、なに話そう…」から始まり、「思いつくまま」という体(てい)で(これも話術)とつとつと話していく。これが非常に面白い。満足しました。
お母様、とうとうお亡くなられましたか。謹んでご冥福をお祈りいたします。
by リス太郎 (2019-04-09 06:53) 

リス太郎

いい加減、更新しなさい。(笑)
by リス太郎 (2019-08-15 18:29) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。