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Take off your cloths [映画]

先週、『存在の耐えられない軽さ』をビデオで観直した。
今月の「映画友の会」で配る同人紙(?)のために、好きな映画について800字くらいで書いてねといわれ、この映画を選んだ。
私は'80年代に「若者」をしていたので、そのころ観た映画がやっぱり印象深いのである。

舞台はチェコスロバキア。「プラハの春」からソ連の軍事介入の時代。
登場人物は、プレイボーイにして有能な外科医のトマシュと、さばさばした大人の女でアーティストのサビーナと、一途な田舎娘テレーザ。
やきもちやきのテレーザってば、直球勝負すぎるぞとツッコミながらも共感しながら観てしまう自分。
約20年ぶりに観て、とにかく年齢だけはかなり「大人」になったので、少しはサビーナ的要素が入ったかしらんと思ったけれど、やっぱりそんなことなかった、というようなことを感想文に書いた。

ミラン・クンデラの原作がまたすばらしい。
数年前、英会話のクラスで話題が本だったことがあり、「いちばん好きな本は?」ときかれ、The Unbearable Lightness of being と答えたものだ。
同じクラスの受講生(若いお嬢さんたち)はきょとんとしていたが、カナダ人の先生が「あれはいいよね。エロいところもあるし、社会情勢についても書かれているし、面白かった」というようなことをいってくれた。先生といっても、一見、アイスホッケーとかわいい女のコのことしか考えていないような20代のにーちゃんである(実はコーエン兄弟のファンだったり、なかなかの”通”なのだが)。カナダの文化的底力(?)おそるべし、と思ったものである。

さて、トマシュは医者であり、行く先々で女たちに言い寄られるモテ男なので、しばしば口にする言葉がある。
Take off your cloths. 服を脱いで。
当時、この台詞は一世を風靡した・・・というほどではなかったかもしれないが、映画好きの女子のあいだには衝撃が走った。トマシュ役のダニエル・デイ=ルイスは指が美しいとか何とか、大騒ぎのお姐さんもいた。不思議と私は彼には、はまらなかったけど。

ビデオを観て、一週間後の昨日、まことに健康的なことに私は区民健康診断を受けた。
いまは職場の健保に入れてもらっているが、派遣社員だったころは「勤め人なのに勤め先で健診を受けられない」という理不尽な状況だったので、誕生月のころ無料で受けられる区民健診に申し込んでおいたのである。
ちなみにもっと前の職場では、健診は大嫌いだった。私の身体のことなんか、ほっといてよ!と思っていた。しかし受けられなくなってみると不安なものである。専業主婦のひとなどはどうしているのだろう?と思っていた。

去年、某社の求人に応募しようとしたところ、必要書類に健康診断書が含まれており、慌てて保健所に問い合わせたら、近所の開業医で受けられるという。12,000円もしましたけど。そのおかげか面接までは漕ぎ着け、あこがれの某社の中をのぞけたのは嬉しかった。募集枠が「経理」だったので、資格のない私はその先は無理だったが。
区民健診を申し込めるときいたのもそのときだ。

以来、その開業医が行きつけである。
といっても、冬に風邪を引いたときに一度行って(もらった薬はあまり利かなかった)、今回が三度目。
おじいちゃんの先生と、受付から助手もかねる年配の女性との2人で切り盛り(?)していて、昭和で止まったような古めかしい診察室に通される。薬戸棚など、ひとむかし前、『an・an』のインテリア特集で「デッドストックを利用しました」と紹介していたようなガラスケースである。
本来小児科だが成人の内科も診ますよというところなので、ミルク缶のポスターなども貼ってあるのだが、すっかり変色している。少子化の影響があるのかないのか、子どもの患者、というか他の患者を見かけたことはない。
レントゲン室は暗く、おじいちゃんがスイッチだか何だかをひねっているのだが、それで撮れるんですか? と不安になる。Dr.コトー診療所か、ここは?!

そんな風情が気に入って、ホームドクター認定である。
「じゃ、上を脱いでください」といわれたが、トマシュとはえらい違い。なんだかおかしくなった。
おかしかったけれど、なんだかのんびりした気分で健診を受けることができた。

存在の耐えられない軽さ

存在の耐えられない軽さ

  • 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
  • 発売日: 2003/06/03
  • メディア: DVD


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コメント 3

リス太郎

トマシュは外科医のくせに「服脱いで♪」って言うの?内科医みたい。
「服脱いで♪」って言いながら自分も脱いでたりして♪
今年2月にインフルエンザにかかったとき、よめはんはいつの間にか自分だけ予防接種を受けてました。
by リス太郎 (2006-11-23 12:09) 

Tremont

> トマシュは外科医のくせに「服脱いで♪」って言うの?内科医みたい。
アハハハッ! 鋭いツッコミ!
「有能な外科医」という設定だけど、そういえば何でも診てたような・・・
ほら、社会主義だからさぁ、ぜいたくいえないのよ。
仕事も選り好みできないんじゃない?(本当か?)

インフルエンザの予防接種は、毎年のようにワクチンが足りないってニュースでいってますねえ。受けるなら、お早めにドーゾ(^^)
by Tremont (2006-11-24 01:06) 

リス太郎

インフルエンザはきついですよ。
姐さんが倒れたら業務が麻痺するので是非受けてください。
by リス太郎 (2006-11-27 07:22) 

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